取材メモ 全自動のタイヤ成型工程を見学

2017年01月23日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンが16年2月に彦根工場で初導入した新しいタイヤ成型システム「エクサメーション」を見学する機会を得た。エクサメーションは、同社独自のICT(情報通信技術)に人工知能(AI)を実装したシステムで、品質向上、高生産性、自動化によるスキルレス化の3点が主な特長として挙げられる。

 見学会では、まず既存の成型機を使った成型工程を見学した。プライの巻きつけやサイド部・トレッドなどの貼りつけ作業では、技能員が手作業で微調整していた姿が印象に残った。

 その後、報道陣はバスでエクサメーションのある建屋に移動した。既存設備の成型工程とエクサメーションの最大の違いは、すべての工程を全自動の機械で行っている点。約400点のセンサーを機械に取り付けることで、これまで技能員のスキルに依存した生産工程や品質保証の判断・動作を機械側で自動的に行う。これにより、作業時間の短縮や生産性向上が図れる他、人による様々なばらつきも極小化される。また、技能員は生産現場の状況をリアルタイムに把握する携帯端末を装着。材料交換などが迅速にできるようになり、効率的な生産を実現している。

 見学会終了後、記者の質問に応じた三枝幸夫執行役員タイヤ生産システム開発担当は「エクサメーションからは非常に多くの情報が得られる。まずは予防保全サービスで活用していくとし、3月までに地場のメンテナンス会社にデータを公開する」とした上で、「将来的には原料メーカーなどのサプライヤーにも情報公開していきたい」と述べ、エクサメーションの幅広い活用法に意欲を見せていた。

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