タイヤ特集・トップインタビュー ネクセンタイヤジャパン 性能・品質を前面に拡販図る

2017年05月22日

ゴムタイムス社

ネクセンタイヤジャパン西村竜代表取締役社長


西村竜(にしむらりゅう)

 今年1月、韓国のタイヤメーカー「ネクセンタイヤ」と総合商社「豊田通商」の合弁により設立された「ネクセンタイヤジャパン」。日本市場本格参入に向けての戦略を西村竜社長に聞いた。

――1月に日本市場へ本格参入し、現状は。

 スタッフは現在、9人。親会社のネクセンはこれまでコンテナベースでの供給を3社に行っていたが、ネクセンタイヤジャパンとしては、今後は日本での通常のビジネススタイルで進めていこうと思っている。そのために必要な人員をそろえていく予定だ。

 ただ、日本でのタイヤビジネスには、難しいところがある。例えば卸売参考価格の設定でも、単純に計算式を当てはめて価格を出せるわけではなく、他社製品の価格を勘案しなければならない。

 しかも、グローバルで供給している多数のアイテムの中から、日本市場に合ったパターンとサイズを絞り込む作業が必要になる。一旦、設定はしたが、各社が値上げを発表したので、設定し直しているところだ。

日本での評価がアジア市場で強みに

――日本市場に本格参入したのは。

 タイヤメーカーは、北米・欧州・中国で販売することで企業として大きく成長できる。ネクセンも同じく、まず北米、次に欧州、そして中国に力を入れてきた。

 日本市場は、規模は大きいものの、ビッグ・メーカーがひしめいているため難しく、本格参入できていなかった。

 今回、日本法人をつくることになったのは、今後のアジア市場でのさらなる展開を考えた時に、日本で一定レベル以上の評価を受けていることが、アジア市場での強みになるからだ。

 もう一つ、ポルシェ・カイエンに「エヌ フィーラ RU1」がOE採用されたこともある。品質の確かさが示されたことで、日本法人をつくるにはいいタイミングだと考えた。

ポルシェ「カイエン」に採用された「N FERA RU1」の写真

ネクセンブランドのフラッグシップタイヤ「エヌ フィーラ RU1」はポルシェ・カイエンにOE採用されている

――合弁での参入だが。

 ネクセンは日本市場に対する知見が少ないことから、パートナーが必要と判断し、自動車市販部品バリューチェーンの拡大を狙っていた豊田通商と合弁会社を設立することになった。豊田通商はトヨタグループの総合商社であり、トヨタやトヨタ以外の自動車メーカーとのネットワークを持っている。どの自動車メーカーも品質やコストに対する要求基準が非常に厳しいため、そう簡単にOE装着をしていただけるわけではないが、豊田通商との合弁という信用力は、ネクセンにとっては大きなメリットである。

 そして、日本の自動車メーカーにOE供給できることは、どんな広告宣伝を行うよりも効果があると言えると考えている。

――販売戦略は。

 「スマート・チョイス」をキーワードに、値頃感はあるものの、高品質な製品を提供していく。

 ただ、それをユーザーに認知してもらうのは、簡単ではない。したがって、基本的にはタイヤショップやカーショップなどの販売店の方々に、値段以上の値打ちがあることをご理解いただくことがキーポイントになる。

 最も大切なのはこうした地道な営業活動だが、並行してウェブや雑誌、業界紙などでのプロモーションも行って、販売網を広げていく。その結果、収益とともに、ネクセンのブランド価値・ブランドポジションを上げることが重要だ。

輸入タイヤのナンバー1を目指す

ネクセンタイヤジャパン西村竜代表取締役社長の写真

西村竜(にしむらりゅう)
1964年兵庫県生まれ。89年東京海上火災保険入社、91年自動車商アールオート設立、06年株式会社ジャパンバイクオークション取締役会長就任、2016年11月ネクセンタイヤジャパン代表取締役社長に就任

――ネクセンのブランド価値とは。

 品質には自信がある。韓国のチャンニョン工場は世界初のフルオートメーション工場で、タイヤ関係者ならこれを見れば誰もが驚くだろう。また、中国にも工場があり、コストを抑え効率の良い生産を行っている。

 アジアン・タイヤの一角ではなく、それより上のポジションを狙い、性能と品質を前面に出して訴求していきたい。価格は3つ目のファクターだ。

 アジアン・タイヤはどうしても、性能・品質より価格を前面に出しがちだ。ネクセンも日本で最初に販売を始めた頃は、価格面で優位性があったため、価格を前面に出して販売していたが、中国やアジアの安価なタイヤが入ってくると、徐々に販売が減少したという経験がある。

 したがって、今回、日本法人を立ち上げて本格的に日本市場に参入するにあたっては、まずは性能と品質があり、3つ目のファクターとして価格があって、その3つが高次元でバランスされているということをセールスポイントとした。

 性能と品質については、使っていただければ、すぐに……