「東京モーターショー2011」開幕 タイヤ各社が環境対応技術を披露

2011年12月02日

ゴムタイムス社

 自動車の最新技術などを展示する第42回東京モーターショー(日本自動車工業会主催)が30日、江東区有明の東京ビッグサイトで報道関係者に公開された。12ヵ国・1地域から計171社が出展。「世界はクルマで変えられる」をテーマに、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など、自動車各社の次世代エコカーが顔をそろえた。
 千葉市の幕張メッセから24年ぶりに都内に会場を移し、世界初公開の52車種を含め、自動車と二輪車の計約400車種が並んだ。
 タイヤメーカーではブリヂストン、横浜ゴム、住友ゴム工業、日本グッドイヤーが、また部品メーカーでは豊田合成、NOK、大野ゴム工業などが出展し、各社とも環境への取り組み状況の紹介や環境貢献商品を出品、来場者に技術力をアピールした。

ブリヂストン
 今回の出展では、「Reliable(安心・信頼)」と「Economical(経済的)」、「Futuristic(未来)」の3つのテーマに合わせ展示を行い、商品の魅力と高い技術力、将来を見据えたその先進性を訴求した。
 CMでお馴染みのタイヤカフェや「エアフリーコンセプト」を動画を使用して紹介。その他、ランフラットタイヤ、スタッドレスタイヤ、環境タイヤ「エコピア」シリーズなどを展示した。
 1日のプレス発表では空気が不要なタイヤの試作品「エアフリーコンセプト」を発表した。会場では試作品を搭載した電動カートが公開された。乗用車に搭載するための開発も進められている。同時に「ラベリング制度」において最高グレードを達成する技術を搭載したタイヤ「ECOPIA EP001S」も発表した。

住友ゴム
 今回のダンロップブースでは「エナセーブテクノロジーの見える化」をコンセプトに、ダンロップの低燃費タイヤ「エナセーブ」シリーズの最新ラインアップや、最新のゴム開発テクノロジーを紹介した。
 1日に行われたプレス発表では池田育嗣代表取締役社長が登壇し、2013年発売予定の石油や石炭などの化石資源由来の材料を全く使用しない「100%石油外天然資源タイヤ」のプロトタイプや低燃費タイヤ「エナセーブ」のフラッグシップモデル「エナセーブ PREMIUM」を発表した。
 同時に「石油外天然資源タイヤ」開発の歴史や最先端のゴム開発テクノロジーや、低燃費タイヤを分かりやすく楽しく体感できるコーナーなども設置した。

横浜ゴム
 今回の出展では「環境、そして人や社会にやさしい」をテーマとした新しい環境タイヤコンセプト「BluEarth」の認知度向上を目指し、その考え方や技術、同コンセプトの名の下に展開している様々な活動を紹介した。
 1日に行われたプレス発表では、野地彦旬代表取締役社長がグローバルコンセプト「BluEarth」から低燃費タイヤに力強い走りをプラスした「BluEarth―A」とSUV用低燃費タイヤ「GEOLANDAR SUV」を発表した。
 商品開発では、環境タイヤブランド「BluEarth」シリーズをはじめ、「BluEarth」コンセプトに基づいて開発したタイヤを展示するとともに、オレンジオイル配合コンパウンド「ナノブレンドゴム」や自然と起こるタイヤからの空気漏れを大幅に抑制する「AIRTEX Advanced liner」など最新の環境テクノロジーも解説した。
 また次世代を見据えた活動として「走る喜びと環境との調和」「EV(電気自動車)タイヤの研究開発」を追及した取り組みを紹介。その一例として「チーム・ヨコハマ・EVチャレンジ」と称してEVレーシングカーで参戦している「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」を紹介。
 さらに未来のタイヤデザインとして開発したコンセプトタイヤを展示。同タイヤは自然界に存在する形状や現象をヒントとする「Nature Design」を採用したもので、今年8月開催の「グッドデザインエキスポ2011」でも披露された。

グッドイヤー
 今回の出展ではブース全体を宇宙船に見立て、“スペースシップGOODYEAR”と命名。NASAと共同で開発中の次世代月面探査車用タイヤを展示したほか、探査車のスケールモックや、実際の宇宙服、隕石などを展示した。
 また、未来の宇宙におけるモビリティーの可能性を、楽しいステージとともに3Dビジョンで紹介した。

NOK
 今回の出展では、FPC&FPC一体シールを、自動車で使用される部位ごとに分けてわかりやすく展示した。また、ハイブリッド・電気自動車関連部品として、Oリングや防振ゴム、車載二次電池のイメージモデルなどを紹介した。

大野ゴム工業
 自動車用ゴム部品メーカーの大野ゴム工業は、社団法人日本自動車部品工業会のブース内に出展した。 今回の出展では、タイロットエンドASSYやダストカバーブーツ、ブーツ交換の手間を効率化させたオレッグ樹脂ブーツなど自動車用ゴム部品を中心に展示した。

住友電工グループ
 ブースでは自動車用部品として、東海ゴム工業の防振ゴム・ホースを展示した。
 展示されたのは、補強糸を高機能化することにより軽量化されたラジエーターホースや鉄をアルミ化、樹脂化することにより軽量化を実現したトルクロッドやブッシュ。

豊田合成
 ゴム・樹脂の自動車用部品を車体を用いて紹介した。また、エアバック体験シミュレーターなども設置した。