住友ゴム 売上高、最終利益とも過去最高

2012年02月17日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業の2011年12月期連結決算は売上高は前期比12・0%増の6769億300万円、営業利益が同13・4%増の539億2400万円、経常利益が同17・5%増の499億2700万円、純利益は同32・5%増の283億8600万円の大幅な増収増益となり、2年連続で増収増益とし、過去最高を更新した。   経常利益は天然ゴム、合成ゴム価格の高騰(552億円)、為替(24億円)、生産能力増強に伴う固定費増(26億円)などの減益要因があったものの、販売数量増(232億円)、価格改定(479億円)、生産量増加に伴う工場稼働率のアップによるコストダウン(26億円)が寄与し、大幅増益となった。

 主力のタイヤ事業の売上高は5910億4500万円、前期比15・0%増、営業利益は488億1900万円、同23・9%増。冬タイヤでは、年初の降雪が多かったことによる増販に加えて、北米やアジアなど海外で市販用タイヤの販売が好調だった。  スポーツ事業の売上高はゴルフ用品市場の消費低迷や円高の影響で583億6500万円、前期比7・7%減、営業利益は36億4000万円、同41・5%減の減収減益となった。産業品その他事業の売上高は主力のOA機器用精密ゴム製品は東日本大震災やタイの大洪水によるOA機器メーカーの減産や円高の影響で、売上高は274億9300万円、同0・2%減、営業利益は14億6000万円、同18・6%減となった。1株当たり年間配当は前期比3円増配し、23円とした。

 2012年122月期の業績予想はアジアを中心に国内外でタイヤの需要が拡大するため売上高は4・2%増の7050億円、経常利益も12・2%増の560億円と、いずれも2年連続で過去最高となる見込み。  また、同社では中期経営戦略の中でグローバル体制の確立を掲げているが、同社は海外での需要増に備え、新興国で生産を拡大する予定。

 12年12月期の設備投資額は過去最高の590億円を計画しており、中国第2工場、ブラジル新工場、タイ工場の能力増に充当。 タイ工場では12年末に日産7万本に達する。 また、今期上期中に次の新工場計画を公表する。 また、収益力・財務力の確立を進めており、ABC(アジアベストコスト)の考え方に基づき、本年よりアジア全域で統一仕様のタイヤ生産、販売を開始した。各地で別々の仕様となっている補修用汎用タイヤを順次統一仕様へと変更し、量産効果によるコスト削減でアジアでの競争力強化に繋げる。東南アジア、中国での汎用タイヤの2割弱を統一仕様タイヤとする考え。

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