ブリヂストン  天然ゴム資源「ロシアタンポポ」の研究活動を加速

2012年05月17日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは17日、天然ゴムをカザフスタンなどが原産の「ロシアタンポポ」から採取し、タイヤ原料ととして実用化するための研究に取り組むと発表した。

 2014年までにタイヤ試験生産を開始し、2020年以降の実用化目指す。

 説明会では、同社のタイヤ材料開発第1本部 フェロー小澤洋一氏がロシアタンポポについての説明を行った。

 同社ではタイヤに使用されるゴムの6割を占めるパラゴムノキ由来の天然ゴムに代わるあらたな天然ゴム資源を探っている。

 その1つとして、2010年よりBridgestone Americas Tire Operations(BATO)が米国オハイオ州の産学連携コンソーシアム「PENRA」に参加し進めていた、「ロシアタンポポ」由来の天然ゴムに関する研究において、「グアユール」で培った抽出技術を応用することにより、天然ゴムと同等の高強力を持つ天然ゴムを「ロシアタンポポ」から採り出すことに成功した。今後、BATOにおいて実用化に向けた研究活動を加速する。

 今夏には「PENRA」のパイロット施設より得られる天然ゴムを独自に試験して確認を進めるとともに、2014年には同プロジェクトが予定する収穫の拡大に基づいて、タイヤテストを含めた拡大試験を行う予定。

 「ロシアタンポポ」は熱帯に生息するパラゴムノキとは全く異なる温帯に生息するため、実用化が可能になれば原材料供給源の多様化につながり、現在の天然ゴム産出地域への一極集中の緩和につながると共に、北米での地域生産地域消費によるメリットも期待されるとしている。また、栽培期間は1~2年と、パラゴムノキの約10分の1で済む。

 同社グループは、「ロシアタンポポ」を始めとした様々なバイオマテリアルの研究開発を通じて、地球上の資源を有効に活用し、リデュース、リユース、リサイクルを進めることを前提としながら、あらたに投入する資源はサステナブルであるべきと考え、タイヤの原料を「100%サステナブルマテリアル化」することを目指していく。

 「ロシアタンポポ」は一般的なタンポポとは全く異なる植物。カザフスタンおよびウズベキスタン原産の多年草で、その根部に天然ゴムを含んでいる植物。

 また、同社グループではBATOにおいては、「グアユール」から天然ゴムを採り出す技術も開発中。

ロシアタンポポ

ロシアタンポポ