ニュースの焦点 タイヤ材料開発技術が進化

2012年10月15日

ゴムタイムス社

地球環境への配慮と安全・安心を両立する高性能・高品質タイヤの材料技術開発競争が激化している。

 ブリヂストンはこのほど「100%サステナブルマテリアル コンセプトタイヤ」を発表。  タイヤ構成材料の天然ゴムについてはパラゴムノキ由来に加え、乾燥地域で育つグアユールで生産地域の多様化を図るほか、補強繊維では従来のレーヨンに加え、汎用パルプからも生産可能で収量が大幅増加する新セルロース繊維を開発、再生可能資源の採用を拡大する。

石油由来材料の合成ゴムについてはバイオエタノールからのブタジエン採用のバイオ合成ゴムに、ゴム薬品についてもバイオ材料由来による加硫促進剤・老化防止剤などのバイオゴム薬、充填剤についても植物油脂から高補強カーボンを生成する植物油脂由来充填剤に変更することで枯渇資源から再生可能な資源に転換する。同社では研究開発体制の確立や基盤技術の開発、量産化の検討を進め、2020年を目標に実用化を判断して行く方針。

 一方、住友ゴムも2013年の発売を目標に、石油や石炭などの化石資源を全く使用しない「100%石油外天然資源タイヤ」の開発を進めており、2007年には石油外天然資源比率を97%にまで高めた「エナセーブ 97」を発表。同社開発のバイオ素材技術を応用することで、残る3%を天然資源化することに成功し、プロトタイプタイヤを完成させている。  植物由来のバイオマス資源から特殊触媒により合成する技術を確立し、植物由来の「老化防止剤」と「加硫促進剤」を合成することに成功。また、植物由来のバイオマス資源(油成分)を効率的に燃焼する技術により、植物由来の「カーボンブラック」の製造に成功している。