ニュースの焦点 自動車車両側で事故を防止

2012年10月29日

ゴムタイムス社

 日産自動車はこのほど、人や車と衝突する危険が迫った場合、車が自動的にステアリングを操作して走る向きを変え、事故を回避する安全技術を開発した。追突を防ぐ自動ブレーキを発展させた仕組みで、3年後の実用化を目指し、システムを装着した車両の販売を開始する計画だ。
 自動車メーカーの安全に対する技術開発では、スバル「アイサイト」やホンダの「スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)」など、自動ブレーキシステムの実用化が進み、最近は、ボルボが自動ブレーキシステム「シティセーフティ」のTVCMを展開している。日産自動車はブレーキシステムを進化させた緊急操舵回避支援システムを開発、実用化を急ぐ。
 来年11月に開かれる東京モーターショーの開催概要が決まり、主催者の日本自動車工業会はそのテーマなどを発表したが、より安全性を追求した次世代自動車と、それを取り巻く社会システムの紹介が行われる。
 11年に開かれた第42回ショーは「世界一のテクノロジー」のスローガンのもと、自動運転のデモや次世代自動車の試乗会などを実施、技術の先進性を国内外に発信した。来年開かれる第43回ショーは、前回ショーをさらに進化させ「くらし、社会につながるクルマ」をテーマに、安全性を追求した自動ブレーキシステムなどの開発成果が披露され、システムの低価格化と高性能化が図られることで、安全装置システム搭載車種の普及拡大につながることが予想される。
 高齢ドライバーが増える中、車両側での事故の未然防止機能が高まることで一層の安全性の向上に期待される。

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