横浜ゴム 車の空気抵抗を低減する新タイヤ技術を開発

2012年12月21日

ゴムタイムス社

 横浜ゴムは19日、走行時の車の空気抵抗を低減するタイヤ設計技術を開発したと発表した。
 同技術開発はタイヤのころがり抵抗低減に次ぐ新しい環境対応技術として取り組んでいるもので、走行中のタイヤ周辺の空気の流れを改善することで、車の燃費性能向上に貢献することを目的としている。
 走行中の車のタイヤハウス内は空気が乱雑に流れており、この空気の一部が車両側面に流れ出し、車の空気抵抗を悪化させる原因となっている。同社はこの問題解決に取り組み、2010年に実走行を想定した条件下(タイヤハウス内に装着しかつ回転している状態)でタイヤ周辺の空気の流れをシミュレーションできる空力シミュレーション技術を確立。その後シミュレーションの範囲を車両全体へ拡張し、人工的に小規模な流れを発生させ、実際の状況を再現・観測する装置および施設(風洞)を用いた風洞試験との両面から研究を進めてきた。
 今回、同シミュレーション技術と風洞試験を活用して車の空気抵抗を低減するタイヤ設計技術を確立した結果、ひとつの具体的な設計案として装着時に内側となるタイヤ側面にフィン状突起を配置したタイヤ(フィンタイヤ)の開発に至った。フィンタイヤはフィンのないノーマルタイヤに比べ、タイヤ自身の空気抵抗は悪化するものの、車全体の空気抵抗は大幅に低減。そのメカニズムとして、フィンがタイヤの回転方向に誘起する渦状の空気の流れによってタイヤハウス内の圧力が変化し車体に前向きの力が生じることで、車の空気抵抗を低減することが分かった。
 今後、実車での評価に加え、タイヤ形状と空気の流れの関係をさらに研究し、タイヤだけの性能追求ではなく「車全体の空気抵抗を低減するタイヤづくり」を推進していく。
 なお、同技術は同日、東京都の国立オリンピック記念青少年総合センターで行われた「第26回数値流体力学シンポジウム」にて発表された。また、来年2月5日からドイツ・ケルンで開催される「Tire Technology Expo 2013」でも発表の予定。

ノーマルタイヤ(左)とフィンタイヤのイメージ

ノーマルタイヤ(左)とフィンタイヤのイメージ

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