自動車用ゴム部品メーカー各社の2014年3月期第1四半期

2013年09月02日

ゴムタイムス社

 自動車用ゴム部品メーカー各社の2014年3月期第1四半期における需要動向をみると、海外での自動車生産が好調だったことや為替の影響により、各社とも前年同期に比べ増収となった。一方、営業利益については売上増に伴い増益となった企業がある一方、操業度の低下やコスト増などにより減益となった企業があり明暗が分かれた。
 ◆豊田合成
 自動車用部品事業の売上高は同13・0%増の1532億円。国内はエコカー補助金により需要が高かった前年同期に比べ生産が減少したが、海外での好調な自動車生産や円高修正による為替影響により、売上高およびセグメント利益は前年同期を上回った。
 ◆NOK
 シール事業の売上高は同2・1%増の682億円。シール事業のうち自動車向けについては、国内での需要は減少したものの、米国や東南アジアでの自動車生産が好調に推移したため、販売が増加。この結果、売上高は前年同期を上回った。営業利益については、一般産業機械向けが国内で販売減少したことなどから、前年同期を下回った。
 ◆東海ゴム工業
 自動車用品事業の売上高は、前年同期比23・3%増の667億円。国内市場では自動車生産台数が前年同期の実績を下回ったが、海外市場では、新興国や米国で販売が堅調に推移し、売上高は前期を上回った。しかしながら、当期より連結の範囲に含めているDytech社が欧州不況の影響を受けたこともあり、営業利益は前年同期を下回った。
 ◆西川ゴム工業
 自動車用部品事業の売上高は同11・6%増の178億円。自動車の生産においてはエコカー補助金の反動があったものの、輸出の改善により生産が持ち直し傾向にあったこと、北米を中心とした海外での需要が増加したことから、売上高は前年同期を上回った。営業利益についても、売上高の増加やコスト低減などにより、前年同期を上回っている。
 ◆鬼怒川ゴム工業
 自動車用部品の専業メーカーである同社グループの売上高は同2・9%増の174億円。主要得意先の自動車生産は、国内は減少、海外は中国が減少したものの海外全体では前年同期並み、グローバルでは微減となった結果、売上高は前年同期を上回った。営業利益については、調達資材の現地化・汎用化、アジア・米州でのモノ造り改善活動を継続してきたが、国内および中国での操業度低下影響などにより、前年同期を下回った。 
 ◆フコク
 自動車用部品の専業メーカーである同社グループの売上高は、同0・9%増の151億円。同社グループの主要顧客先である自動車産業のうち、日系メーカーは円安効果による輸出の持ち直しや新車投入効果による国内販売の回復などもあり、総じて業績が好転してきた結果、売上高は前年同期を上回った。一方、営業利益は、主に海外投資回収の遅れ、グローバル化推進に係るコスト増などが影響し、前年同期を下回った。

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