ブリヂストン 「ologic」技術発表会を開催

2014年05月12日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは5月8日、超低燃費タイヤ「ECOPIA EP500 ologic」が電気駆動の「BMWi3」に世界で初めて新車装着されたのを機に、同社技術センター(東京都小平市)で技術発表会を開催した。
 開発の経緯や技術の特長などを紹介するとともに、BMWi3と新タイヤ開発技術「アルティメットアイ」の施設の公開も行った。

 発表会の冒頭、あいさつを行った坂野真人タイヤ研究本部長は「見た目は細くて大きなタイヤだが、中身にはいろいろな技術が詰まっている。今後予想される高内圧化や、ハイブリッド・電気自動車につきもののバッテリー搭載スペースなどに対応する、最適解の1つと確信している」と述べた。

 「ologic」はタイヤ名ではなく、超低燃費タイヤ技術のことである。その特長は、坂野本部長の言葉にあるように、これまでになかった狭幅・大径化することで、低燃費と安全性を高次元で両立したこと。
 タイヤの大径化と高内圧により接地部分の変形を抑制し、車両の燃費向上に関わる転がり抵抗を低減。幅狭化によって走行時の空気抵抗も低減した。

 さらに、タイヤ進行方向に長い接地形状と、専用パタンやコンパウンドを組み合わせることで、ウェット路面や乾燥路での高いグリップ性能を確保している。

 こうした性能が評価され、BMWi3に新車装着されることになった。
 BMWでは、BMWi3の車両性能を十分に発揮するには、従来のタイヤの枠を超える全く新しいコンセプトが必要と判断。ブリヂストンと共同で開発に取り組み、ologicの実用化につながった。

 BMWi3に納入したのはECOPIA EP500 ologicの155/70R19、175/60R19など4サイズ。冬用タイヤとして「BLIZZAK LM500 ologic(ラメレンタイヤ)」、北欧向けに「BLIZZAK NV ologic(スタッドレスタイヤ)」も開発した。

 技術発表会で紹介したBMWi3は、航続距離を延長するため発電専用エンジンを搭載した「レンジ・エクステンダー」装備車なので、前輪には155/70R19、後輪には若干幅の広い175/60R19を装着していた。

 一方、オロジックの開発に不可欠だったのが「アルティメットアイ」である。今回敢えて、通常は社外秘である施設を公開したのは「従来タイヤと寸法が全然違うため、オロジックを世に広めるためには、カーメーカーに興味を持っていただくとともに、メディアを通じて世の中に広く知っていただく必要がある」(坂野本部長)と考えたため。

 アルティメットアイは、おそらく世界で初めて、高速で回転するタイヤの接地面の挙動を可視化できる技術である。
 乗用車用タイヤに限らず、トラック・バス用からレース用まで、直径2m以下のあらゆるタイヤの計測が行えるため、今後、同社のほとんどのタイヤづくりに生かされていくことになる。
(次号に詳報を掲載)

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