ブリヂストン 超低燃費タイヤへの挑戦㊤

2014年05月26日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンはこのほど、次世代低燃費タイヤ技術「ologic」を適用した「ECOPIA EP500 ologic」などを開発し、電気駆動の「BMWi3」に供給した。狭幅・大径・高内圧により、低燃費と安全性を高次元で両立させた、この全く新しいタイヤコンセプトは「断トツの低燃費によるCO2排出量削減」を目指す同社の姿勢と、F1などで培った技術力が相俟って実現したものだ。

 ブリヂストンが5月8日に東京都小平市の同社技術センターで開催したologicの技術発表会では、BMWi3用の開発に貢献した新しいタイヤ開発技術「アルティメットアイ」施設を公開した。本来なら社外秘であるはずの同施設を公開したことに、この新しいタイヤ技術にかける同社の意気込みが感じられた。
 それは、坂野真人タイヤ研究本部長の「今後予想される高内圧化や、ハイブリッド・電気自動車などのバッテリー搭載スペースなどに対応する、最適解の1つと確信している」という言葉にも示されていた。

 ただし、このタイヤは狭幅・大径であることから「タイヤの寸法が全然違うので、普通にタイヤショップに置いて、一般の交換タイヤとして装着してもらうわけにはいかない」(坂野本部長)。普及のためには、自動車メーカーの協力が必要であり、今回の実用化も、BMWが革新的な電気自動車を開発するという意欲があって初めて可能になったものである。
 このため、ologicが普及するか否かは、自動車メーカーがこのタイヤ技術をどう評価するかにかかっている。

 ブリヂストンが敢えてこのような形状のタイヤを開発したのは「断トツの低燃費によるCO2排出量削減を達成して、顧客価値と社会価値という共通価値創造に貢献する」ためだ。
 同社は2020年の中期と2050年以降の長期を見据えた環境目標を策定しており、この中でタイヤの転がり抵抗に関しては、20年に05年比で25%低減しモノづくりで排出される以上のCO2削減に貢献するとの目標を設定。CO2については、50年に50%以上削減するとの数値目標を設けている。

 その目標達成に向けた具体的な取り組みの1つとして示されたのが、ologicというわけである。開発にあたっては断トツの超低転がり抵抗・車両の空気抵抗低減と、安全性能との高次元での両立を図った。
 その実現のため、従来タイヤと一線を画す環境性能を実現する、新カテゴリーの次世代タイヤ技術を目指すことになったが、それを支えたのはレーシングタイヤ開発で培った知見であった。

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