ブリヂストン 化工品個別事業発表会を初開催

2014年05月26日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは5月22日、東京・南麻布の同社グローバル研修センターにおいて「化工品事業における個別事業発表会」を開催した。
 同社には、基幹事業のタイヤ以外に売上高15%を占める多角化事業があり、そのうちの約5割が化成品や工業用品などの化工品事業。今回の発表会は同事業と製品の認知度を上げる目的で開かれ、報道関係者約30名が参加した。
 最初に化工品事業企画・業務室の清水徹夫本部長があいさつした後、化工品8事業の販売担当者が、各事業の概要や訴求製品等を紹介した。会場の一角には同社化工品の一部が展示された他、発表会終了後には屋外スペースに用意された「免震体験車」で、参加者が耐震と免震の違いを体験できる時間が設けられた。
 清水本部長は「普段目に触れる機会の少ない化工品の露出を増やし、販売拡大を図るための初めての試み。報道関係者に事業や製品知識の基本を紹介し、一般認知度の向上につながることを期待したい」と語った。
 同会で紹介された事業は以下の通り。

◇インフラ事業(免震ゴム)
 免震事業の概要と広報活動について動画を交えて解説。同社は幅広い品揃えで建物の条件にマッチした免震製品を提供できるのが強み。免震について広くPRするため今春から導入した「免震体験車」の運用状況や体験者のアンケート結果等を紹介した。「震災後、免震への関心は高まっているが認知度はまだ低い。広報活動を通じてパイを広げることで拡販を図りたい」(西田淳一インフラ資材販売促進部長)

◇ゴムクローラ事業
 「ゴムのキャタピラ」と呼ばれるゴムクローラについて、歴史や構造などを解説。同製品は都市部の工事問題に対応し、路面保護や騒音・振動の軽減が可能。また東北で除染作業向けに開発された新製品を紹介した。「タイヤで培った材料技術を基盤に、性能の向上と環境への対応に貢献している」(藤原敦洋ゴムクローラ販売促進部長)

◇ベルト事業
 コンベヤベルトは、鉄鋼・セメント他の各種プラントや石炭火力発電所、鉱山などで使用目的に応じて使い分けられている。「各種産業やインフラ施設での搬送を通じて、日々の生活の下支えをしている」(森田聡ベルト販売促進部長)

◇ホース事業
 高圧ホースを軸とした同社のホース事業について解説。20tクラスの建設機械には2〜300本のホースが使用されており「ホースの善し悪しが建機の性能を決める」(伊達正敏ホース販売促進第2課長)とのこと。その他、樹脂と多層ワイヤ補強を組み合わせた超高圧ホース「プリモライン」など、新たな取り組みを紹介した。

◇防振ゴム事業
 一般的な乗用車に40〜50個使用される防振ゴムは、自動車の性能と安全を支えている。「今後もタイヤ部門を含めた総合力を駆使して、当社ならではのユニークな提案をしたい」(染谷勝己防振ゴム開発第1部長)
 この他、樹脂配管事業、化成品事業、封止材フィルム事業に関して、担当者が説明を行った。

◎13年度化工品事業の売上は2700億円
 同社化工品事業企画・業務室、清水徹夫本部長によると、13年度化工品事業の売上実績は、免震、ベルト、ホースなど各事業好調により前期比2ケタ増の2700億円となった。14年度第1四半期は、消費増税による駆け込み需要等があり、前年同期比でほぼ2ケタの増加となった。

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