ブリヂストン 超低燃費タイヤへの挑戦㊥

2014年06月02日

ゴムタイムス社

 次世代低燃費タイヤ技術「ologic」の技術発表会で技術説明を行った、松本浩幸タイヤ研究本部操安研究ユニットリーダーによれば、同ユニットはもともとレーシングタイヤを開発していた。

 しかし、F1がワンメイクに移行したため、レース用から環境技術の開発にシフトし、レーシングタイヤで培った技術を環境タイヤに注ぎ込むことになった。「この時の知見がologic開発の役に立った」と松本リーダーは指摘した。

 というのは、F1では接地面をいかに広く均一にしてグリップを得るかを検討する一方、MotoGPでは接地面を広く取れない中で、グリップをどう確保するかが課題だった。
 同ユニットでは、こうした経験を通じて、接地面挙動の重要性を改めて認識していたが、それがologic開発に繋がったというわけだ。

 開発を進める上で判明したのは、タイヤ接地面のエネルギー効率を追求するという意味では、環境性能の向上と限界グリップ向上は同じであるということ。
 そこで「転がり抵抗の低減とグリップは両立できる」と判断し、まずタイヤサイズの検討からスタートした結果、「狭幅・大径」+「高内圧」というコンセプトに行きついた。

 「大径」というサイズは、高内圧との相乗効果を発揮する最適な大きさ、ということから導き出されたものだ。

 また、転がり抵抗は「材料特性」「体積」「変形」という3つの要素の積で表されるが、従来のエコタイヤでは、材料特性と体積に対しては取り組みを行っていたものの、変形には対応していなかった。
 そこでologicでは、大径にすることで設置面をなるべく平面に近い形にするとともに、内圧を高くすることで変形を抑制することにした。

 この相乗効果により、通常タイヤに比べ転がり抵抗を30%低減することができた。

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