やさしいタイヤ材料のはなし その⑮

2014年10月26日

ゴムタイムス社

ゴム用原材料③―2

 次に加硫時にゴム分子間に架橋を作る硫黄は、硫黄原子8個による環状構造を持っています。熱を加えることによって、この環状構造が壊れてゴム分子間に硫黄の架橋を形成します。ソリッドタイヤが発明されて間もなく、1839年にチャールス・グッドイヤーが加硫を発見しました。

 しかし、硫黄だけで加硫する場合、高い加硫温度と長い加硫時間が必要という問題点がありました。この課題を解決するために開発されたのが加硫促進剤です。加硫促進剤の種類、及び硫黄と加硫促進剤の配合量を調整することによって、タイヤ各部材に求められる最適なゴム物性と部材間の強い接着力とが得られます。

 最後に、タイヤの耐久性に不可欠な老化防止剤についてお話します。ゴムの劣化は酸素、オゾン、光、熱及び伸縮、屈曲による動的疲労などが要因となって、ゴム分子にラジカルが発生することから始まります。このラジカルが酸素と反応して過酸化物ラジカルが生成し、ゴム分子の主鎖を切断し、このときに発生したにラジカルがゴム分子を攻撃するというように、連鎖反応的に劣化が進行します。老化防止剤にはアミン系とフェノール系があり、アミン系は高い老化防止能力を持ちますが、汚染性がありタイヤサイド部などの外観不良の原因となります。

 一方でフェノール系は、老化防止性能は劣りますが汚染性はありません。さて、ヒトの老化原因といわれる活性酸素もラジカルの一種で、細胞を攻撃しDNAに損傷を与えるといわれています。ゴムの老化とヒトの老化には似たメカニズムがありそうですね。

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