住友ゴム タイの農機用タイヤ工場本稼働 17年に年産60万本体制に

2014年10月03日

ゴムタイムス社

  住友ゴム工業は10月2日、タイ・ラヨーン県に建設したスミトモラバー・タイランドの農業機械用タイヤ工場を報道陣に公開した。

 同工場では農業機械用タイヤ、ゴムクローラ、フォークリフト用ソリッドタイヤを5月から製造。

 同社グループが海外に農業機械用タイヤ工場を設けるのは、この工場が初めて。今後はタイでの生産体制を強化し、農業機械用タイヤ事業の一層の拡大に取り組んでいく。

 新工場は第1、第2工場から南東約5kmの位置に、第3工場として建設された。

 14年度の生産能力は年産14万本を見込んでいる。段階的に増産を続け、17年度末には年産60万本の生産体制を目指す。

 工場設計はリフトを多用するなど非力な女性にも配慮した設計で、安全快適な環境を構築した。コンバイン用ゴムクローラの生産では、スチールコードをスパイラル状に巻く製法「スパイラル工法」を採用し、優れた耐久性と低振動性を実現した高機能ゴムクローラを生産する。

 投資額は約40億バーツ。敷地面積は13万㎡で、建屋面積は約3万㎡。その他に1万3500㎡の拡張エリアを確保しており、将来的な増産にも備えている。

 生産量の内訳は、農業機械用タイヤが全体生産の約8割を占め、フォークリフトタイヤとゴムクローラーが残り2割となる。

 日本では生産していない最大38インチの大型タイヤも生産する。

 製品はタイに進出しているクボタ、ヤンマーなどの日系農機メーカーに供給する。

 タイ国内の農業機械用タイヤの市場規模を同社では、新車用、補修用もそれぞれ30万本前後あると見ている。

 現在、同社のシェアは15~20%と明かした上で、2016年にはタイ国内の農業機械用タイヤ市場で、5割のシェア獲得を目指す。  将来的にはタイ国外への輸出も視野に入れており、農業機械用タイヤの輸出拠点とする方針。