タイヤ3社の1~9月期 タイヤ事業は増収増益

2014年11月17日

ゴムタイムス社

 タイヤ事業は増収増益

 タイヤ3社(ブリヂストン、横浜ゴム、東洋ゴム工業)の14年12月期第3四半期連結決算が発表された。国内市場では消費増税後の反動はあるものの、増税前の駆け込み需要の効果が大きく、海外市場も販売が伸びた上に原料価格が下がったことで、3社ともタイヤ事業は増収増益となった。

 販売好調、円安も追い風に

 ブリヂストン
 ブリヂストンの14年12月期第3四半期連結決算は、売上高2兆6651億600万円で前年同期比2・3%増、営業利益は3424億6800万円で同7・4%増、経常利益は3390億4800万円で同9・3%増、四半期純利益は2256億7000万円で同15・2%増の増収増益となった。

 売上高では売値・MIX・数量他が前年同期に比べてマイナスになったが、円安が増収に大きく寄与。営業利益も売値・MIX・数量他が前年に比べて減少する一方、天然ゴム価格の下落による原材料価格の低減と円安が増益要因となった。

 セグメント別では、各地域のタイヤ販売本数は、中国でトラック・バス用が前年同期を下回ったほかは、前年同期を上回るか、前年並みとなった。この結果、タイヤ事業の売上高は2兆2347億円で前年同期比1%増、セグメント利益は3105億円で同7%増となった。

 多角化部門は、売上高が4423億円で同9%増、セグメント利益はBSAM多角化と国内事業の利益増加の影響により、319億円で同12%増となった。

 通期の連結業績予想は前回公表から変更なく、売上高は3兆6500億円で前期比2・3%増、営業利益は4750億円で同8・4%増、経常利益は4540億円で同4・4%増、当期純利益は2930億円で同45・0%増の見込み。

 横浜ゴム
 横浜ゴムの14年12月期第3四半期累計連結決算は、売上高は前年同期比4・2%増の4298億1000万円、営業利益は同6・5%増の318億6800万円、経常利益は同2・5%減の303億3900万円。当期純利益は同27・4%増の249億1900万円。売上、営業益ともに過去最高を更新したものの、経常益は微減した。

 タイヤ事業は国内新車用と海外が好調に推移し、工業品事業とその他の事業はシーリング材とゴルフ用品が伸長した。原材料価格の低下や為替円安も大きく影響した。

 タイヤ事業は売上高3375億1400万円、同4・4%増、営業利益248億1800万円、同12・7%増。工業品事業は売上高734億600万円、同4・3%増、営業利益49億8500万円、同7・6%減。

 通期の連結業績予想は前回公表を据え置き、売上高6350億円、前期比5・5%増、営業利益630億円、同11・2%増、経常利益600億円、同0・8%増、純利益420億円、同20%増を見込む。

 東洋ゴム工業
 東洋ゴム工業の14年12月期第3四半期連結決算は、売上高2872億7400万円で前年同期比7・1%増、営業利益は340億1000万円で同37・8%増、経常利益は327億7500万円で同35・2%増、四半期純利益は235億1000万円で同282・4%増となった。

 新車用タイヤで高付加価値商品の販売が拡大したことや、国内市販用でミニバン専用タイヤの販売が好調だったこと、海外市場で販売量・売上高ともに前年同期を上回ったことから増収増益となった。セグメント別では、タイヤ事業の売上高は2268億7300万円で同8・6%増、営業利益は317億4300万円で同44・8%増。

 通期の業績予想は前回公表から変更なく、売上高は4000億円で同8・0%増、営業利益は455億円で同22・2%増、経常利益は415億円で同8・4%増、当期純利益は280億円で同141・5%増を見込んでいる。