タイヤ4社 2014年第3四半期連結決算詳報

2014年12月01日

ゴムタイムス社

◆ブリヂストン

 ブリヂストンの14年12月期第3四半期連結決算は、売上高2兆6651億円で前年同期比2・3%増、営業利益3424億円、同7・4%増、3390億円、同9・3%増と増収増益となった。

 営業利益は減益要因である売値MIX・数量他で505億円、減価償却費で20億円、戦略商品の販売減少で30億円、販管費50億円に対し、増益要因である天然ゴムをはじめとする原材料・素材価格の下落で570億円、為替差益で270億円が寄与し、合計では同235億円の増益となった。

 所在地別の営業利益は日本が1393億円、同12%減となったが、米州が1312億円、同7%増、欧州は上期に続き好調で同34倍増の171億円、その他が538億円、同10%減となった。

 1~9月期のタイヤ生産量は、国内38万t、海外生産100万t、うち米州43万t、欧州16万t、その他41万t、合計では138万tとなった。海外生産比率は72%。

 通期のタイヤ生産予想は国内51万t、海外137万t、うち米州59万t、欧州22万t、その他57万t、合計188万t、海外生産比率は73%になる見通し。通期の設備投資は3400億円、対前年比24%増を計画している。

◆住友ゴム

 住友ゴム工業の14年12月期第3四半期連結決算は、売上高5758億円で同8・2%増、営業利益491億円、同14・2%増、経常利益516億円、同27・2%増と増収増益となり、売上・利益項目全てにおいて過去最高を達成した。

 営業利益段階における減益要因は、価格修正で259億円、設備投資による減価償却費の増加などによる固定費増で42億円、経費増で65億円、スポーツ事業で7億円となった。これに対して天然ゴム163億円、石油系原材料40億円などの原材料費で201億円、数量・構成他で177億円、為替で39億円、産業品他で12億円、直接原価で5億円が増益要因となり、差し引き61億円の増益となった。

 地域別では日本の売上高が3170億円、営業利益293億円、アジアの売上高が1142億円、営業利益201億円、その他が1446億円、営業利益マイナス3億円となった。

 前年同期対比でのタイヤ販売本数は、国内新車用は1~3月が6%増、海外新車用は17%増、国内市販用は25%増、海外市販用は13%増で、全体では15%増。4~6月は国内新車用が6%増、海外新車用は32%増、国内市販用は12%減、海外市販用は18%増で、全体では11%増。7~9月は国内新車用が1%増、海外新車用は9%増、国内市販用は1%増、海外市販用は11%増となり、全体では7%増となった。年間では、国内新車用が3%増、海外新車用は16%増、国内市販用は1%増、海外市販用は13%増、全体では9%増を見込んでいる。

 タイヤ生産能力は、昨年の月産5万2150tから14年通期は月産5万4400tと、前年比4%の伸長率を予想。海外生産比率は13年実績で49%、14年は51%を見込んでいる。

 設備投資は14年通期で679億円、このうち海外投資は466億円を計画している。

◆横浜ゴム

 横浜ゴムの14年12月期第3四半期累計連結決算は、売上高は前年同期比4・2%増の4298億円、営業利益は同6・5%増の319億円、経常利益は同2・5%減の303億円となった。第3四半期累計は売上、営業利益ともに過去最高を更新したものの、営業外損失27億円を計上したため経常利益は減益となった。

 営業利益段階における減益要因は、量・価格・MIXで38億円、販管費で62億円、これに対して粗利為替差で39億円、原料価格で74億円、製造原価で6億円が増益要因となって、合計で19億円の増益となった。

 所在地別では、日本の売上高は2473億円で同2・0%増、営業利益は264億円で同7・2%減、北米の売上高は1050億円で同6・1%増、営業利益は19億円で同48・8%減、アジアの売上高は393億円で同13・2%増、営業利益は60億円で同105・1%増、その他地域の売上高は382億円で同5・4%増、営業損失は12億円となった。

◆東洋ゴム

 東洋ゴム工業の14年12月期第3四半期連結決算は、売上高2873億円で同7・1%増、営業利益は340億円で同37・8%増、経常利益は328億円で同35・2%増となった。

 市販用タイヤ販売が好調に推移したこと、原材料価格が安定的に推移したことなどにより、売上および利益項目全てにおいて過去最高を達成した。

 営業利益段階では、原材料価格下落58億円、為替差益48億円、販売要因43億円の増益要因が、工場立ち上げコスト22億円、製造コスト11億円、販管費14億円、広告宣伝費9億円などの減益要因をカバーし、同93億円の増益となった。

 所在地別では、日本の売上高は1147億円、同0・1%減、営業利益は255億円で同47・5%増、北米では売上高1186億円で同14・0%増、営業利益82億円で同26・2%増、その他地域では売上高540億円で同9・5%増、営業利益31億円で同170・0%増となった。

 1~9月期のタイヤ生産量は国内10万3000t、海外6万2500t、合計で16万5500tとなった。海外生産比率は37・8%。