ブリヂストンタイヤジャパン 「エコピア」に希望小売価格を設定

2014年12月30日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンタイヤジャパン㈱(清水実社長)は12月22日、都内で15年における消費財タイヤ事業の施策を説明し、1月より低燃費タイヤ「エコピア」にメーカー希望小売価格を設定する方針をあきらかにした。

 同社は従来、フラッグシップブランドである「レグノ」および「ポテンザ」において希望小売価格を設定していた。同社では今回、ユーザーに提供できるタイヤの性能や価値の指標になるとして、主力商品である「エコピア」にも希望小売価格を設定することにしたもの。

 清水社長は「統合後の3年間、お客様にいかに近づくかを期して構造改革を進めてきた。一方で、お客様に本当に必要な情報提供ができていたかという反省もある。低燃費、ウェット性能というラベリング性能だけでなく、直進安定性、ドライ性能、乗り心地、静粛性、ライフを加えた7つの性能の総合力を追求する上で、希望小売価格の設定を拡大し、我々がお客様に提供できる価値の指標としたい」と語った。

 今回の施策により、同社が販売する夏タイヤのうち、サイズ数ベースでは約8割、販売ウェイトでは約3割の商品に希望小売価格が設定される。

 同社では「希望小売価格はタイヤの価値の指標であり、小売現場における価格を決して縛るものではない。小売や流通の担当者には丁寧に説明し、理解が得られるよう努力していく」(長島淳二消費財マーケティング本部長)と述べている。

 また近年は、空気圧不足などタイヤ不良率の上昇傾向が見られる。ピーク時に全国で約6万軒あったとされるサービスステーション(SS)が、約3万軒まで減少したことがタイヤ不良に気づく機会の喪失につながり、不良率上昇の大きな要因になっているとの指摘もある。

 同社では「空気圧不足ではタイヤ本来の性能が発揮できない」(真鍋利明専務執行役員)として、店頭での訴求やセミナーの実施など、ユーザーへの啓蒙活動も強化していきたいとしている。

 タイヤの希望小売価格については、1996年にタイヤ公正取引協議会から店頭での実売価格とのかい離を指摘され、業界全体でオープン化に移行していた。その後、同社は2003年に、「レグノ」「ポテンザ」について希望小売価格を復活させている。