住友ゴム GYとの提携解消に合意 北米にタイヤ生産拠点 

2015年06月05日

ゴムタイムス社

 住友ゴム工業は6月4日、都内で緊急記者会見を開き、米グッドイヤー社とのアライアンス契約および合弁事業の解消について合意に達したと発表した。

 北米JVと日本のダンロップ、グッドイヤーブランドの新車用タイヤ販売会社「ダンロップグッドイヤータイヤ」は住友ゴムが、欧州JVと日本の市販用グッドイヤーブランドの販売会社「日本グッドイヤー」はグッドイヤー社が買い取り、共同購買・技術交流の共同開発JVは解散することで合意、住友ゴムにとっては、新たに取得した北米のタイヤ生産拠点での開発や製造が自由になることから、より柔軟で積極的な事業展開が可能となった。

 アライアンス契約および合弁事業の解消に伴う一連の取引の結果、住友ゴムはグッドイヤー社より約2億7100万米ドル(約325億円)を現金で受領するほか、既存債務の返済として、アライアンス契約および合弁事業の解消の効力発生日以降3年以内に、総額約5500万米ドル(約66億円)をグッドイヤー社から受領する予定。

 アライアンスの解消に伴い、北米市場では両社のタイヤ製造・販売合弁会社「グッドイヤー・ダンロップタイヤノースアメリカ」が住友ゴム100%の連結子会社となり、住友ゴムは北米JVがニューヨーク州に保有していた自動車用タイヤ、TB用タイヤ、モーターサイクルタイヤを生産するバッファロー工場(年産460万本)を取得する。「北米地域はアライアンスの解消に伴い、もっとも大きく変化し、発展していくと考えている。これまで当社は同地域での展開に制約があったが、事業展開の自由度が格段に増加した」(池田育嗣社長)とし、日系自動車メーカー向けの新車用タイヤ、新車、市販用のモーターサイクルタイヤ事業が新たに加わった。

 また、ダンロップ商標使用権についても、北米市場では日系自動車メーカー向け新車用タイヤ及びモーターサイクルタイヤ全般を住友ゴムが引き継ぐ。ファルケンタイヤについては、モータースポーツで活躍するブランドとして欧州を中心に認知されており、北米市場でもダンロップのシェアはファルケンに比べ乗用車タイヤでは半分位のシェアでしかなく、ファルケンブランドの浸透度を更に高めていく方針でいる。

 一方、北米での非日系自動車メーカー向け新車用タイヤや市販用タイヤ及び欧州でのダンロップ商標使用権はグッドイヤー社が引き継ぐことになる。また、住友ゴムと欧州JVがダンロップ商標使用権を相互保有していた33ヵ国については住友ゴムが独占的に保有することになり、新たに対象となる国はロシア、CIS諸国、トルコを含む中近東及びアフリカ諸国が含まれる。

 これらの地域は今後も成長が見込まれており、住友ゴムが事業展開できる地域が拡大することとなり、すでに注力している新興国市場での事業展開と併せて、今回のアライアンス解消に伴う成長のための活動項目を追加し、2020年までにVISION 2020の中期計画目標の売上高1兆2000億円、営業利益1500億円を目指す。

 グッドイヤー社とのアライアンスは1999年にスタート。
 アライアンス初期においては、共同開発による重複投資の回避、共同購買によるコスト削減、経営資源の新興国市場への投入などにより財務体質が改善され、アライアンス開始直後の2000年度の連結売上高4232億円から2014年度には8376億円と倍増、営業利益も254億円から863億円と3・4倍となるなど、日本及び新興国市場における事業拡大の当初の目的が達成できた。ところが、近年においては欧米JVの業績低下、技術交流、共同開発におけるメリットの希薄化、アライアンス対象外の新興国市場の事業拡大により、アライアンス関係を維持する意義が徐々に薄れてきたことで、国際商業会議所での仲裁手続きと並行して、グッドイヤー社と継続的に協議を重ねた結果、アライアンスを発展的に解消することについて今回、両社で合意に至ったもの。

 

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