東洋ゴム 免震ゴム対策の進捗状況を説明

2015年08月24日

ゴムタイムス社

 東洋ゴム工業は8月10日、2015年12月期第2四半期連結決算説明会の中で、先ごろ発覚した免震ゴム装置不適合問題について、対策の進捗状況について説明した。

 同社は6月13日に再発防止策として、緊急対策2項目、継続対策5項目を策定した。緊急対策では、「①緊急品質監査の実施」を行った。対象となる国内12拠点、海外11拠点の合計23拠点について、5月11日より監査を開始し、7月24日までに全拠点で監査を終了した。

 「②品質・コンプライアンス調査委員会の調査」については、外部弁護士を含めた調査チームを編成し、緊急品質監査と同じ全23拠点において、原料受入れから製品出荷まで全工程について、業務監査、品質監査、コンプライアンス調査をセットで網羅的に実施し、要改善点を改善するまでフォローする。6月24日から着手し、7月末時点で国内外各2拠点、計4拠点で終了。今年度中に、残りの国内10拠点、海外9拠点の調査を完了する予定である。

 継続対策については、「①再発防止に向けた新組織体制」として、コンプライアンスオフィサー制度を導入。コンプライアンス事案を全社・組織的に把握し、一元的に管理するため、7月1日付けでチーフ・コンプライアンスオフィサーに就任した高木康史常務執行役員を中心とした組織に改編し、併せて各事業本部、地域ごとにコンプライアンスオフィサーを任命した。

 また、8月1日付けでダイバーテック事業本部を改編し、これまで1つのアイテムごとに1ユニットで完結していた組織を生産、技術、営業という縦割りにして、組織間のチェック体制を再構築するとともに、人材のローテーションを図りながら業務の「見える化」を促進する。

 その他、「②ものづくりの不正を起こさない仕組みの構築」では、品質・コンプライアンス調査委員会の調査と並行して、内部通報制度の活用促進を図るべく、現行制度の検証に取り組む。「③全社として問題に対処する仕組みの構築」では、事業評価ガイドラインの策定・運営に向けた調査・検証を進めており、早期にガイドラインを整備・確定する。「④企業風土の改革」については、トップダウンの意識改革コミットメントを行うとともに、ボトムアップの意識変革活動などを目的に「風土改革委員会」の設置を進めている。

 改修工事の進捗については、3月13日公表の55棟において、現在は36棟で交換免震材料が決定しており、材料発注と施工計画の立案に移行中。工事中物件を中心に、年内には10棟以上の交換工事の着工を見込んでいる。残り19棟でも、他社品への交換が検討されており、準備対応の協力を要請した。4月21日公表の99棟については、現在、具体的な交換工事についての協議が進んでおり、年末から年明けにかけて数件の交換工事の着工を見込んでいる。

 なお、交換方法については工事関係者と共同で、ジャッキアップ工法以外に極力躯体に影響の少ない工法の開発に取り組んでいる。

 説明を行った久世哲也常務執行役員は「再発防止策を実効性のあるものにし、改めて企業ルールの抜本的な改革と、再発防止を誓い、最後の1棟、1基を確実に交換し終えるまで引き続き全力で取組むことで、社会からの信頼回復に努めたい」と述べた。

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