ブリヂストン 米ペップ・ボーイズ社買収で価格引き上げ

2015年12月14日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは12月12日、同社の完全子会社であるブリヂストン・アメリカス・インク(BSA)と米国大手自動車用品小売チェーンのザ・ペップ・ボーイズ―マニー、モー・アンド・ジャック(ペップ・ボーイズ社)が、12月11日(米国現地時間)に、買収に関する契約の内容改定を完了したと発表した。

 同契約は、BSAの完全子会社であるブリヂストン・リテール・オペレーションズ・エルエルシー(BSRO)とペップ・ボーイズ社が10月26日(米国現地時間)に締結したもの。

 これにより、BSROはペップ・ボーイズ社の株式公開買付け価格を1株当たり現金15ドルから1株当たり現金15・50ドル、株式買収総額で約8億6300万ドル(約1035億円)に上げたことになる。同価格引き上げは、ペップ・ボーイズ社の取締役会が、BSROの当初提案よりも優れていると判断した第三者の競合提案に対応するために行ったもの。

 改定後の買付け価格1株当たり現金15・50ドルにより、ペップ・ボーイズ社の株主は、現金で約2800万ドル(約33億6000万円)の追加提案を受けたこととなる。

 ペップ・ボーイズ社の取締役会は、同社の株主に対して、全会一致でBSROによる株式公開買付けに応じるよう引き続き推奨している。またペップ・ボーイズ社は、同社の取締役会が、12月8日(現地時間)にアイカーン・エンタープライズ・エル・ピーより受領した1株当たり現金15・50ドルで買付ける提案について、もはや優位性はないと発表している。

 今回の株式公開買付けは、今後延長されない限り、2016年1月4日月曜日の午後5時(米国ニューヨーク時間)に完了する予定。

 BSROは、「ファイアストン・コンプリート・オートケア」などのブランドで、全米に2200店舗以上の自動車タイヤ販売、自動車整備・補修及び自動車用品を販売する小売店を運営している。また、BSROの直営小売店とブリヂストン系列販売代理店を含めると、同社グループは全米で5000店舗以上の小売店網を構築しており、今回のペップ・ボーイズ社買収はBSROが運営する小売店網の拡大だけではなく、同社グループのグローバル全体での成長を加速させることになる。

 同社は、米国自動車アフターマーケット市場において、同社グループとペップ・ボーイズ社の両社が持つ伝統や蓄積された専門知識を統合することで、単なる規模の大きさだけではない、より顧客のニーズに応えるタイヤ・自動車関連サービスの小売店網を構築できるとしている。