ピレリ グアユール由来のタイヤで初のテスト走行

2015年12月22日

ゴムタイムス社

 ピレリは12月22日、同社にとって初のグアユール由来の天然ゴムを使用したウルトラ・ハイパフォーマンスタイヤを装着し、ヴィッツォーラとバロッコのテストコースで、マセラティ・ギブリによるテスト走行を行ったと発表した。

 このプロトタイプタイヤは、高性能かつ環境に極めて優しい革新的な素材を使用していることが特徴。グアユールは、乾燥地帯に生息するする非食用作物で、農薬を使用することなく、わずかな水で栽培することが可能であることから、パラゴムノキに代わる有効な素材とされている。

 同プロトタイプは、素材の研究開始からわずか2年後という早さで、サーキットでのテストまで到達した。2013年、ピレリは、ヴェルサリス(エニ)とタイヤ開発に必要なグアユール由来天然ゴムの独占供給契約を締結。同社の研究者は、それから極めて短い期間内に実際のロードユースでベストな性能を引き出せるよう、新しい主原料の特性を綿密に研究した。

 今回ピレリは、ヴェルサリスによるラバー抽出技術やグアユールの樹脂特性にも支えられ、タイヤを構成するゴム以外の部分との適合性を保ちつつ性能要求を満たすことが可能な素材を得て、プロジェクトを推進することができた。

 ヴェルサリスによる研究は、産業全般でグアユールを組み入れる広範囲な技術基盤の一翼を担い、南ヨーロッパでの実験的な栽培に始まり、タイヤを構成する天然ゴムを抽出する技術へと展開された。

 同プロトタイプタイヤは、タイヤに厳しい負荷を課す高性能車であるマセラティを用いたウェットコンディションなどの極限使用でのテストを通じ、オイル由来の合成ポリマー製のタイヤと同等の性能を示した。

 石油化学ポリマーに代わる新素材を使用することは、長年に渡りサスティナブル・モビリティーを牽引するピレリ研究開発部門にとっての重要な目標。同社は、コンパウンド内の主要素材として新しいバイオポリマーを開発することに加え、もみ殻から得られるシリカを主要素材とするタイヤを既に開発している。これらの研究開発は、一貫した性能のみならず、製品および製品開発工程の環境持続可能性に関する水準を向上させることに貢献している。

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