タイヤ4社の15年12月期決算詳報 設備投資が3社で減少

2016年02月25日

ゴムタイムス社

ブリヂストン
海外生産比率73%に

 ブリヂストンの15年12月期連結決算の売上高は3兆7902億5100万円で前期比3・2%増、営業利益は5172億4800万円で同8・2%増、経常利益は5073億300万円で同9・5%増。

 営業利益の減益要因としては、主に原材料市況連動性契約などによる売値の低下から売値・MIX・数量他が1478億円、販管費120億円、減価償却費10億円に対し、増益要因である原材料・素材価格の低下で1210億円、為替変動で550億円、戦略商品50億円が寄与し、合計では同392億円の増益となった。

 所在地別では日本が売上高1兆1878億円で同6%減、営業利益1974億円で同6%減、米州が売上高1兆9416億円で同10%増、営業利益2225億円で同23%増、欧州が売上高4217億円で同4%減、営業利益214億円で同5%増、その他地域が売上高8380億円で同横ばい、営業利益682億円で同2%増となった。

 通期のタイヤ生産実績(ゴム量)は、国内48万t、海外生産132万tでうち米州56万t、欧州22万t、その他54万t、合計では179万tとなった。この結果、海外生産比率は73%となった。

 通期の設備投資額はタイヤが2298億円で同14%減、多角化が236億円で同16%減、合計で2535億円で同14%減となった。

住友ゴム工業
3年連続で1億本販売

 住友ゴム工業の15年12月期連結決算の売上高は8486億6300万円で前期比1・3%増、営業利益は770億6700万円で同10・6%減、経常利益は788億9400億円で同10・3%減。

 営業利益段階における減益要因は、販売要因で340億円(内訳は海外での価格改定などで267億円、数量・構成他で73億円)、固定費増で58億円、経費増で63億円、スポーツ事業で12億円、産業品他で27億円。これに対し、原材料費で377億円(内訳は天然ゴム132億円、石油関連資材234億円など)、直接原価で30億円、為替円安で1億円が増益要因となり、合計で同92億円の減益となった。

 地域セグメント別では日本の売上高が4664億円で営業利益388億円、アジアの売上高は1637億円で営業利益308億円、その他地域が2185億円で営業利益75億円となった。うち、北米の売上高は1322億円で、海外売上高比率は56%となった。

 年間タイヤ販売本数では、前年対比で国内新車用が8%減、海外新車用1%増、国内市販用7%減、海外市販用6%増、合計では微増の1億962万本となり、3年連続で1億本の大台に乗せた。

 通期のタイヤ生産量は59万8000t、同2%増。設備稼働率は91%。設備投資額は589億円で前年実績比39億円減、うち海外投資は395億円で同32億円減となった。

横浜ゴム
設備投資は期初予想を下回る

 横浜ゴムの15年12月期連結決算の売上高は6298億5600万円、前期比0・7%増、営業利益は545億3600万円、同7・7%減、経常利益は493億3400万円、同11・6%減。

 営業利益段階における減益要因は、国内外で販売競争激化に伴う売値の悪化により価格/MIXで197億円、海外での販売数量増加に伴う流通コスト増などにより販管費で120億円。それに対し、増益要因は粗利為替差で58億円、原料価格で204億円、製造原価で8億円、販売量で1億円となり、合計で同45億円の減益となった。

 通期のタイヤ生産(本数ベース)は国内は3146万本、海外は2568万本、合計5714万本となり、海外生産比率は45%となった。設備稼働率については、国内が88・7%、海外が79・1%、合計で84・1%となった。

 設備投資額は、フィリピンと中国で能増を一部遅らせた影響から、期初予想(658億円)を下回る510億円となり、前年実績比でも43億円減となった。

東洋ゴム工業
営業利益が33%増

 東洋ゴム工業の15年12月期連結決算は、売上高は4077億8900万円で前期比3・6%増、営業利益は633億8100万円で同33・4%増、経常利益は568億1400万円で同22・1%増。

 営業利益段階において、販売要因が64億円、工場立上げコストが14億円の減益要因となったが、原材料価格で178億円、為替で47億円、広告宣伝費を含む販管費の3億円、製造コスト9億円の増益要因がカバーし、合計で同159億円の増益となった。

 15年度の所在地セグメント別では、日本の売上高は1516億円で同8%減となったものの、好調な北米からのロイヤリティが寄与し、営業利益は541億円で同33%増となった。その北米の売上高は1888億円で同18%増、営業利益は70億円で同22%減(ロイヤリティ支払い前の営業利益は約340億円)。その他地域では売上高673億円で同4%減、営業利益30億円で同14%減となった。

 通期のタイヤ生産実績(新ゴム量)は国内13万5700t、北米は5万900t、アジア3万8600t、合計で22万5200tとなり、海外生産比率は39・7%となった。

 設備投資額は15年実績でタイヤが360億円となり、前年実績比15億円増、ダイバーテック他が64億円で同16億円増、合計424億円で同31億円増となった。

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