日本ミシュランタイヤは2月24日、東京・新宿の新宿パークタワーで新製品「ミシュラン・パイロット・スポーツ4」の記者発表会を開催した。
高揚感が得られる、ダイナミックなドライビングを楽しむ人をターゲットに開発されたスポーツタイヤで、17インチと18インチの計14サイズ。価格はオープン。3月24日に発売する。
レースから得られた技術をフィードバックすることで、ウェットやドライ路面での走行性能はもちろん、高いハンドリングと高速安定性、直観的なスポーツドライビング体験を可能にした。新製品の発売により、スポーツタイヤのミシュラン・パイロット・シリーズが完成したことになる。
なお同製品は、性能に満足しなかった場合、購入から60日間に限りタイヤ購入代金を返金する、同社の「満足補償プログラム」の対象製品となっている。
発表会では、最初にポール・ペリニオ社長があいさつを行い「16年はすでに発表している製品も含め、3つの新製品を上市。顧客にさらなる満足を提供するだけでなく、ミシュランタイヤをより多くの販売店に扱ってもらえるよう、ディストリビューション戦略を見直していく」と述べた。
また新製品により、スポーツタイヤシリーズの販売本数を、対前年比で10~20%成長させる目標であることを明らかにした。
続いて、成瀬朋伸PC/LTタイヤ事業部マーケティング部ブランド戦略マネージャーが開発の背景を説明した。
同社が行った調査によると、走りを楽しむ人の半数が、ダイナミックなドライビングが好きなことが判明。そうした人に、タイヤに求める性能を尋ねたところ「乾いた路面での高いグリップ性」「レスポンスの良さ」「ハンドリング」「濡れた路面での高いグリップ性」が上位を示した。
こうしたユーザーのニーズに合致するタイヤとして開発したのがパイロット・スポーツ4で、そのコンセプトは「直観的な走りを愉しむダイナミック・グリップスポーツタイヤ」であると成瀬マネージャーは述べた。
次に、平野哲也PC/LTタイヤ事業部プロダクトマーケティングマネージャーが製品の特長を紹介した。
平野マネージャーは同タイヤの特長として「グリップ」「コントロール&応答性」「スポーティイメージ」の3点を挙げた。
このうちグリップについては、電気自動車レース「フォーミュラE」で培った技術をフィードバックして開発。レースで磨かれた新しいウルトラ・リアクティブ・トレッドパターンにより、広い接地面を実現するとともに、トレッド面に対する溝の割合を押さえることで、しっかりと路面を捉え続けることを可能にした。
また、進行方向に刻まれた4本のストレートグルーブが深水路面で縦方向の排水性を向上。最適化されたプロファイルが横方向への排水性を高め、ウェット路面でのグリップ確保に貢献する。
さらに、シリカとの結合を高めたエラストマーによる新コンパウンドが、ウェット路面でのグリップとブレーキングを向上させた。
コントロール&応答性については、ハイブリッドのアラミド・ナイロンベルトが走行中のトレッド面を安定させることで、トレッド面がしっかりと路面に密着。同時に、レースタイヤやフラッグシップタイヤに使われている、ダイナミック・レスポンス・テクノロジーも採用した。
一方、スポーティイメージとしては、新モールド技術によるベルベット加工が、単調だったサイドウォールデザインに深みのある黒色を与え「洗練されたプレミアムな外観を演出している」と平野マネージャーは述べた。
最後にモータースポーツトークセッションとして、小田島広明モータースポーツマネージャーが同社のモータースポーツ活動を紹介。スーパーGTで過去5年間に4回のチャンピオンタイヤになっていることや、新製品に多くの技術をフィードバックしているフォーミュラEの説明などを行った。