ブリヂストン 欧州子会社が仏企業買収 仏国内のタイヤ販売網を拡充

2016年05月31日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは5月30日、欧州子会社「ブリヂストン・ヨーロッパ・エヌヴィー・エスエー(BSEMEA)」が欧州現地時間の同日、仏大手自動車整備業「チェーンスピーディ・フランス・SAS(スピーディ社)」の株式を100%取得し、完全子会社化する最終契約をスピーディ社と締結したと発表した。

 スピーディ社は欧州市場の主要国であるフランス国内で重要なタイヤ小売網の一つで、今回の買収手続きは規制当局の認可を取得次第、完了する見込み。

 買収後のBSEMEAのタイヤ小売店網はフランス国内で800ヵ所を超え、スピーディ社が拠点を持つフランス国外の各市場でも、小売店網が拡大することになる。これにより、ブリヂストン・グループは市場プレゼンスをさらに高め、事業の成長戦略をより一層加速させていく方針だ。

 BSEMEAはベルギー・ブリュッセルにある、ブリヂストン100%出資の子会社。資本金は7億2466万8000ユーロ。事業内容は欧州・中近東・アフリカ事業の統括と自動車タイヤの販売。

 スピーディ社はフランス・オー=ド=セーヌ県ナンテール郡にあり、株式は非上場。創業は1978年。売上高は1億7500万ユーロ(2014年度)。店舗数は約500店舗。事業内容は自動車整備・補修、自動車タイヤを始めとする自動車用品の販売など。

 今回の買収について、エデュアルド・ミナルディBSEMEA会長兼CEO兼プレジデントは「スピーディ社は優良な顧客層、幅広い展開地域に加えてサービス品質を重視しており、今回の買収は当社の戦略的合理性に合致していると考えている。これまでの堅実な業績も踏まえ、スピーディ社のジャック・ル・フォールCEOと彼のチームに、引き続き彼らの経営戦略に基づき事業を運営してもらいたいと考えている」と述べた。

 また、ル・フォールCEOは「タイヤ業界の世界最大のプレーヤーと組むことは、スピーディ社とそのステークホルダーにとって最高のニュース。今回の買収は双方にとってウイン・ウインであり、今後のスピーディ社の発展と成長の新しいフェーズに向けて取り組んでいきたい」とコメントしている。

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