ミドリ安全 スリランカの手袋メーカー、ATG社との総代理店契約締結

2016年10月11日

ゴムタイムス社

 ミドリ安全は10月5日、都内本社でスリランカの手袋メーカー、アドバンスト・テクノロジー・グローブ社(ATG)と日本の総代理店契約を締結した。自動車などの製造業向けに安全靴・作業着・手袋等を製造販売するミドリ安全は、作業用手袋を海外30ヵ国で展開するATGの日本総代理店になることで、物流、建設業など第3次産業向け手袋でも販売拡大を目指す。

 1992年設立のATGは、スリランカに3ヵ所に製造拠点を構え、年間の手袋生産量は8000万双以上を誇る。アマゾンやユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)、DHLなどの世界的大企業がATGの手袋を取り扱っているが、日本市場はこれまで未導入だった。

 ATGによると、「日本は世界第3位の工業国であり、これまでも参入を検討してきた。今回、ミドリ安全という良きパートナーに巡り合えたことが日本市場に参入する決め手となった」と語った。

 ミドリ安全は、自動車産業などの製造業を中心に耐切創に優れた手袋に加え、手荒れによる困り事から特許を取得したニトリル手袋などを製造販売している。同社の売上高は1000億円。このうち、手袋事業の売上は100億円と毎年伸びている。ただ、労働人口の中心が製造業からサービス業などの第3次産業にシフトしている。このため、従来の製造業だけでなく、物流、運輸、倉庫、建設業で販売を強化することで、手袋事業の売上拡大を目指す。

 国内で販売するATG商品については、発汗減少量を3割抑え、通気性を追求したデザイン「マキシフレックス」シリーズが中心になる。ATG商品は初年度1億円、中期目標として10年をめどに10億円の売上を計画している。

 国内の物流・倉庫業界で使われる手袋は、手のひらのグリップ性の高い商品が中心となっている。ただ、倉庫などの通気性の悪い場所では、作業環境の改善を目的に通気性の良い手袋が求められている。「通気性に着目した手袋は少なく、マキシフレックスのような通気性のある手袋は、大きな需要が見込める」(安田一成ミドリ安全セフティ&ヘルス統括部取締役統括部長)と述べた。

 ATGでは、海外でそれぞれのニーズに適した手袋を製品化してきた。「日本市場についてもミドリ安全と共同で、独自商品を開発していく」(ATG)と述べ、日本市場開拓に意欲を示している。

 

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